ポッポさまへ


(ああ、また、見ている…)

自分の体にまとわりつくような、そんなネジの視線にヒナタは戸惑ってしまう。

最近、いつもネジはヒナタを見詰めている。それは昔と変わらず居心地の悪い

強い視線であることに変わりはなかった。だがその意味が違っている。

昔は強い憎悪だった、だが今は。

今は…あきらかに、貪るような雄の視線になっていた…。

 
                  『視線』


ネジと父が朝修練を日課としてから早3年。

ヒナタも任務がない日は二人に付き合ってきたが、最近はこの場に

顔を出す事がつらくなっていた。理由はネジにある。

昔のように憎悪に満ちたものをネジから向けられる事はなくなったが

その代わり、段々とあの強い視線で見られるようになっていた。

それが怖くて、最近彼と二人きりになるのを避けていたヒナタは

お茶を出すとその場を離れるようにしていたのに、今朝に限って

そのタイミングを逃してしまっていた。

父が、ヒナタを呼び止めたから話しなどしているうちに席を外す事が

出来なくなって、その上ヒアシは前触れもなく立ち去ってしまった。

慌てて父と共に自分もその場を立ち去ろうとしたが、ネジはまだ茶を飲んでいる。

やはり、すぐに自分も立ち去るのは失礼かと、ヒナタはネジが茶を

飲み終えるのを待つことにした。

彼と二人きりは苦手だが、でも彼を傷付けたくないと、そう思って。

困惑するヒナタの思惑など知る由もないのか、ネジはいつもと変わらぬ

取り済ました横顔。

その秀麗な横顔を眺めていて、ふと気付く。

ネジはわざとなのか、本当にいつまでも茶を飲みきろうとはせず、

湯飲みに口を付けては又唇を離すという事を繰り返していた。

何故、そんなことするのだろう?

不思議に思って、それと居た堪れなさからヒナタは勇気をだしてネジへと話しかけた。

「ネジ兄さん、あ、熱いのは…苦手なのですか?」

おそるおそる顔色を伺いながら尋ねると、あの、纏わりつくような

視線を向けられた。じっくりと、ヒナタを嘗め回すような色めいたものを

含むそのあからさまな眼差しにヒナタは思わず俯いてしまう。

(ち、父上の前では興味などない顔をするのに…)

「ヒナタ様」

少年から青年になりつつあるネジの少し低い男の声がする。それに体が震えた。

「ヒナタ様、オレが怖いのですか?」

「っ?!」

「初心な処女のあなたには…まだ怖いだけですか?」

いきなり何を言うのだろうと焦るヒナタにネジが更に言う。

「オレの視線が…恥ずかしいのでしょう?そしてそれに感じている事も…」

「あっ…そ、それは…」

顔がヒナタの意志を無視してどんどん熱くなる。まるでこれではネジの言葉を

肯定しているようではないか?そう自分を恥じてヒナタは言葉をなくし俯いた。

それを愉しそうに哂う気配がして、思わずヒナタは俯いていた顔を上げてネジを見る。

と、そこには残酷な色香を漂わす男の顔があって、思わずその妖艶な表情から

目が離せなくなってしまった。

離せなくなって、魅入られてしまったかのように動けないヒナタへ

ネジが歪んだ笑みを浮かべる。

「あなた、感じている。」

「あっ…そっ、そんなこと…っ…」

「嘘だな、だって…ほら。」

囁くような声が近付いてきて、ネジから強く体を取り押さえられていた。

抵抗は虚しく、力の差が大きいネジから逃れることはかなわない。

それでも足掻くヒナタの体をネジは、無駄だ、と囁いて服越しに撫で始めた。

「やっ…やめっ…っ…!」

「…ふ、やっぱり…感じている…」

ヒナタの体を執拗に撫で擦っていたネジの手がヒナタの太腿を割って入ってくる。

触れて欲しくない箇所を布越しにそっと撫でられて、ヒナタは小さく声を洩らした。

羞恥に喘ぐヒナタの耳元で、指を蠢かせながら、ネジが吐息まじりに告げてくる。

あなたを引きとめるために、いつまでもこうしていたのだと。

「だって、こんな切なそうに…オレを待つ花、ほうってはおけないだろう?」

そうだろう?ヒナタ様、と掠れ艶めくネジの声が直接鼓膜を震わせて、

耳朶をかぷりと噛まれていた。

「やっ…ち、ちがっ…ぅ…」

「違わないさ。」

くっ、と指を蠢かせネジがヒナタの中を布ごとかき回す。

その慣れない行為に小さく悲鳴を零し震えた。

「…幼い恋などもう終いだ。いいな?ヒナタ様。」

オレが教えてやる、だが今日はここまでだ、そう言って

ネジがヒナタから身を退いていく。

冷たい板の廊下に横たえられていたヒナタは、ネジが何事もなかったように

立ち去るのを、体に残る甘い疼きに震えながら見送って…

そうして悟った。



自分は…あの纏わりつくようなネジの、雄の視線をいつも待ち望んでいたのだと。


そして…まだ甘い余韻の残る体を起こして、別れ際にネジが残した言葉を思い出す。


 『オレが教えてやる』


 ――熱い視線のその先を…――


熱くなる体を思わず抱き締めた。

きっと自分はネジとの恋に身を焦がす。…そんな予感がした…。









   ★ お世話になってます、ポッポさまの素敵サイト開設記念に

     心を込めて捧げます。

     私と同じで強引なネジと可愛いヒナタ様がお好きだと

     思いまして、私の基本の鬼蓄風ネジで妄想しました。

     文中の幼い恋は、言わずと知れたナルトへの憧れです。

     それをやめてオレにしろと迫った訳です。

      (何か分かりづらいかなと思って今頃)

     ネジヒナ万歳ということでv拙いというかエロ炸裂ですが

     ポッポさま、どうかお受け取り下さいませ〜♪


     * ポッポ様の素敵サイトへはリンクのお部屋から

        飛びたてますv

           (2006/2/13UP)






             
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